地球温暖化といえば、単純に地球の気温が上がるだけと、考える方も多いでしょう。
しかし、地球温暖化は熱波のような異常な高温だけでなく、寒波や干ばつ、豪雨など様々な異常気象の発生と関係しています。
地球温暖化と温室効果ガスの関係性、またその対策についてまとめてみました。
目次
産業革命からはじまる地球温暖化と温室効果ガス
人類は18世紀半ばにおきた産業革命以降、多くの化石燃料を燃やすことで、大量の二酸化炭素を排出してきました。
この二酸化炭素は温室効果ガスのひとつです。
温室効果ガスは、太陽からもたらされた、エネルギーが宇宙空間へと放出されにくくし、地球にとどめる働きをします。
そのために、温室効果ガスの増加は地球温暖化を引き起こすのです。
温室効果ガスが増え、地球温暖化がはじまった1850年から現在の気温がどのように変化したかのグラフを確認しました。
基準値は1850年から2015年までの世界平均気温です。
産業革命が世界中に広がった1850年以降、気温は上昇の一途をたどっています。
1850年を-0.4度で見ると2016年は0.6度になっています。
特に1940年を0度として、平均気温の上昇と下降はされていますが、1975年が0度となった以降、気温の変化の最下降の気温は0.2度です。
このことから、この150年で約1℃ほど気温が上昇していることが確認されています。
温室効果ガスが地球温暖化の原因なのは明白
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2013年に公表した、地球温暖化に関する最新の報告書を見てみましょう。
これによると、地球が温暖化していることについては「疑いようがない」といいます。
さらに報告書は、「20世紀半ば以降の地球温暖化は人間活動が主な要因である可能性が極めて高い(95%以上)」と結論付けました。
この報告書について、日本の国立環境研究所地球環境研究センター、気候変動リスク評価研究室では次のような見解を発表しました。
「報告書では、地球温暖化を引き起こしているもっとも大きな原因は、『二酸化炭素などの温室効果ガスの濃度の増加』だと結論付けています。
産業革命が広がっていった1870年ごろ、温室効果ガスの二酸化炭素の大気濃度は278ppmほどでした。
しかし、その後、二酸化炭素濃度は急増し、2014年には397.7ppmにまで至りました。
この間に世界の平均気温は0.8℃も上昇していますが、これは温室効果ガスの増加以外の理由では説明がつきません。」
温室効果ガス自体の濃度変化と、地球温暖化対策
地球温暖化の原因である温室効果ガスが増加し、地球温暖化が明白なものとなった今、地球温暖防止には温室効果ガスの削減がその対策となります。
温室効果ガスの濃度について、過去の大気中の濃度はどのようにしたらわかるのか。
それは、南極やグリーンランドに残された、氷の層を調べることで推測することができます。
過去2000年にわたり、温室効果ガスの濃度変化を氷の層を掘り進みしらべてみたところ、1850年代から上昇し始めているのがわかります。
温室効果ガスの代表的なものには大きく3つに分類されます。
1つめは二酸化炭素で、1800年代に約285ppmだったその濃度は現在約380ppmです。
2つめは一酸化窒素で、1800年代に約0.29ppmだったその濃度は現在約0.32ppmです。
3つめはメタンで、1800年代に約0.7ppmだったその濃度は現在約1.9ppmです。
1800年間、この3つの温室効果ガスは、多少の上下はあっても、急増することはありませんでした。
この濃度が1800年以降、かつてない勢いで上昇しています。
この温室効果ガスの濃度の上昇をゆるやかにしなければ地球温暖化対策にはなりません。
まとめ
地球温暖化対策では温室効果ガスの濃度上昇を食い止めることが必要です。
省エネルギーへの取り組みや、森林伐採を食い止めて、森林を育てる、環境保全への取り組みも必要になります。
二酸化炭素を吸収してくれる森林の働きはとても重要なものですが、残念ながら現在、人の手により減少しています。
温室効果ガスは、二酸化炭素以外にもメタンも著しく上昇が確認されています。
しかしメタンの大気寿命は対流圏の光化学反応で分解するためその寿命は14年です。
2005年の大気中のメタンの量は1774ppbです。
その一方で二酸化炭素の大気寿命は書かれていません。
2005年の大気中の二酸化炭素の量は379000ppbです。
温室効果ガスの、実に63%が二酸化炭素なのです。
このことから、地球温暖化対策で、特に削減に取り組まなければならない温室効果ガスは二酸化炭素なのだといえます。