地球温暖化の原因のひとつ、森林伐採

地球温暖化問題の原因・影響・対策!地球温暖化について学ぼうk (22)
地球温暖化問題の原因を考える時、中学生でも思い浮かぶのが森林伐採です。

植物は温室効果ガスである二酸化炭素を吸収し、酸素を排出しています。

世界一の森林であるアマゾンをみてみると、近年その伐採による弊害が地球温暖化のひとつの原因となっているとされています。

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世界の肺とよばれるアマゾン

森林が温室効果ガスの二酸化炭素を吸うことで、地球温暖化対策になっていることはよく知られています。

その反面、あまり知られていませんが、実は森林は成長しきってしまうと、もう二酸化炭素を吸収しなくなるのです。

しかし、成長する過程では、大量に二酸化炭素を吸ってくれます。

南米ブラジルに広がるアマゾンの森林は、よく「世界の肺」ともいわれています。

このアマゾンの森林も、世界の地球温暖化対策に有効なものとしてみられてきました。

しかし、現在のアマゾンの森林は安定期に入っており、かつてのように、温室効果ガスの二酸化炭素を大量に吸ってくれるわけではないのです。

だからといって、森林が切り倒されればどうなるでしょう。

その樹木に固定されていた二酸化炭素が大量に放出されてしまいます。

日本の国土の約15倍の広さのあるブラジル、アマゾン流域では、その森林がどんどん減ってあと50年で姿を消すかもしれないと、いわれています。

地球温暖化対策にもなる、アマゾンの森林のでは、今、違法伐採が問題になっているのです。

遠く日本の裏側にあたるブラジルでも世界的に注目される中、日本として国際貢献のひとつとしてアマゾンの違法伐採を取り締まるための情報を提供しています。

アマゾンの森林周辺の人々の生活と日本

森林が地球温暖化対策に有効な働きをもつことは、世界的にも知られていますが、アマゾンの森林の地元の人にも生活はあります。

そもそもなぜ、違法伐採をするのでしょうか。

地元の人によると、切り倒した木を材木にしたり、切り倒した土地は牧場にして、牛を飼い、ハンバーガー用の肉にしたり、農地にして、現金になるようなものを育てたりするとのことです。

地元の人にとっては生きる糧が必要なので、違法だとわかっていても森林をそのままにしておいても、生活は豊かにならないから、開拓をしているということなのでした。

さて、この違法伐採を確認するのに、日本の国際貢献はどのようなものが利用されているのでしょうか。

日本には通称JAXA(ジャクサ)宇宙航空開発機構があります。

JAXAの打ち上げている陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の最新式のレーダーを使い、上空から監視するのです。

アマゾンは広大な敷地面積があり、奥地で行われる違法伐採を地上の幹線道路からでは見つけるのは大変難しいのです。

ヘリコプターで上空から見つける方法で、ある程度はわかりますが、限界があり、地上から銃撃される恐れもあります。

しかし、「だいち2号」からだと、地上から銃撃される危険性もなく、雲の下まですべて見ることができます。

違法伐採が行われているデータをブラジルの取締官が、現地でスマホを使用してリアルタイムで見られます。

こうして、アマゾンの森林を守ることで、地球温暖化対策に、日本も世界貢献をしてこうとしているわけです。

2016年の6月から稼動が開始の予定ですが、2016年10月現在、JAXA公式ホームページによる報告はされていません。

アマゾンの森林の地球温暖化対策を世界へひろめる試み

アマゾンの森林から地球温暖化対策を考えた時、違法伐採がされていることは事実であり、しかし、そこに住む人々の言い分も聞いた時に、世界的視野に立ち何ができるのかを考えてみましょう。

生活に困っているアマゾンの地元に住む人々のために、新しい雇用を生み出すことができればよいのではないでしょうか。

それは、森林を伐採することではなく、たとえば、観光資源として活用することです。

アマゾンの森林へ取材に行ったジャーナリストが、中国の団体の観光客を目にしました。

中国では今、経済発展途上の真っ最中で、貧富の差があるにせよ、こうした観光客は日本やヨーロッパのみならず、ブラジルにまで来ていたのです。

観光なら、アマゾンの森林の自然破壊につながりません。

観光業で生計を立てる人を、もっと増やすことができます。

ただ、地元に住む人たちは、アマゾンの自然のすばらしさを自覚していません。

あまりにも身近にありすぎて、あたりまえになっているのです。

まずは、アマゾンの持つ自然の素晴らしさを知ってもらう、ところからはじめなければなりません。

それと同時に、アマゾンがいかに地球温暖化の原因となる気候変動にどう影響をしているかも知ってもらう必要があります。

アマゾンの現状と地球温暖化問題

アマゾンの森林伐採が行われていることはすでに問題化され、先に紹介したとおりの事情や対策がされています。

では、そのアマゾンの森林自体はどのようなものなのかを詳しく紹介します。

アマゾンの熱帯雨林の樹木の高さは実に、70メートルもあります。

それに対し、樹木が根を張る土壌は、数センチ~数十センチほどしかないのです。

森林伐採や、森林が焼かれると、数センチ~数十センチほどの、とても薄い表土が雨水で流されます。

雨水で流されてしまったその土地は回復不能な荒地となってしまうのです。

アマゾンの自然の中では、森林自体の密集した樹林自体が風雨を防ぐことや、土壌が微生物により葉や枝、虫などが分解され栄養素の循環がを行う生態系。

この生態系の良好なバランスによって、表土の流出が行われない仕組みになっていたのです。

ですが、アマゾンのように閉鎖的なの生態系のシステムは一度、その連鎖が壊れると大変なことになるのです。

それは予想もつかないような速さで、表土が流され、病気にかかり、死んでしまうということです。

アマゾンでは森林伐採により、いったん流れ出てしまった表土が、再び元の姿に戻るためには、実に100年ほどの歳月が必要だと言われています。

かつての歴史上、アマゾンは気象変動が皆無であったために、こうした閉鎖的な生態系のシステムの構築がされました。

しかし近年のアマゾンの森林破壊により、アマゾンの森林自体が地球温暖化の影響を受けています。

ここ数年では、地球温暖化が原因の異常気象により、アマゾンの森林では乾季に雨が降り、雨季に雨が降らない日が続いているのです。

地球温暖化は世界的な気候変動をもたらしますが、アマゾンは森林伐採により地球温暖化に拍車をかけただけではなく、森林自体も地球温暖化の影響を受けているのです。

アマゾンの森林伐採が地球温暖化の原因のひとつであることは次の事柄から立証できます。

森林伐採による森林の持つ二酸化炭素の吸収量の減少がまずひとつ。

アルベドとよばれる反射光、この太陽から届いた光からの熱が森林により冷まされることなく増加をしているということ。

森林が焼却されれば、燃やされたことで大気に放出される二酸化炭素の量も増加します。

これらのことは、ブラジルアマゾンの熱帯地域から、発生した大気の流れとして、気候変動に影響します。

地球温暖化の原因となるエルニーニョ現象やラニーニャ現象も、大気の流れの影響を強く受けます。

そのため、アマゾンの森林伐採や、森林の焼却が、アマゾンの裏側の国の降雨量さえも、変えるだけの力があるのです。

まとめ

地球温暖化の原因となる温室効果ガスの二酸化炭素の増加の大きな原因は、先進国の排気ガスなどのエネルギー消費が主です。

しかし、ブラジルにおいては、二酸化炭素排出量の75%は実はアマゾンの森林伐採の後におこなわれる森焼きから発生したものだと言われています。

その上、森林伐採された樹木は最終的に、木材や紙の形で燃やされるのでさらに大気中に二酸化炭素が放出されます。

実は、目に見えない微生物レベルの、土壌中の有機物もCO2を発生するようになります。

アマゾン地域の森林消失の面積は、とどまることがありません。

2008年のアマゾン消失面積は12,911km2で、これは東京都6個分の広さとほぼ同じ面積です。

その消失し開発された農地では大豆が収穫され、この大豆の精製過程で出る殻を利用し、養鶏が盛んになっています。

現在、日本に輸入される加工食品に使用される、鶏肉の約80%はブラジルから賄われています。

大豆の需要は大きく経済発展をとげたことで、森林伐採による乱開発のスピードは収まりません。

さらに森林伐採後に植えられるサトウキビ畑。

エコ燃料とよばれるエタノールを作るために、植えられています。

地球温暖化防止のために、新エネルギーの開発が必要とされ、アメリカではエタノールの普及率が高まっています。

しかし、地球温暖化の原因となる森林破壊により、得られた新エネルギーが、本当に地球温暖化対策になるのでしょうか。

地球温暖化がなぜおこったのか、その原因のひとつが森林破壊であることを知れば、森林破壊により得られたエタノールは、本末転倒だと思いませんか?

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