温室効果ガスの排出量世界ワースト1
2015年、地球温暖化の原因である、二酸化炭素排出量の最も多い国は中国でした。
2番目に多いアメリカは地球温暖化の原因となった国である先進国。
これまでずっとワースト1位はアメリカでした。
先進国には地球温暖化の原因を招いた重い責任があるにもかかわらず、アメリカはずいぶんと温室効果ガスの排出量が多いようです。
日本は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量は、中国やアメリカの4分の1以下です。
しかし、世界で5番目に温室効果ガスの排出量の多い国です。
現在わかっているデータで、過去20年の間における、大気中の二酸化炭素濃度の増加の割合を確認してみましょう。
化石燃料の燃焼によるものが4分の3をしめています。
このデータでは工業化の進んだ先進国、日本、ロシア、アメリカなどが、温室効果ガスの排出の大きな割合を占めていることが明らかにされています。
これは長年言い続けられてきたことですが、重い責任を担っているのです。
先進国では、一人当たりの温室効果ガス排出量は、発展途上国の排出量をかなり上回っています。
途上国では、現在の一人当たりの排出量は少ないですが、経済発展の途上にあり、温室効果ガスの排出量は急増しつつあります。
目次
中国は地球温暖化防止に関してあまり積極的ではない?!
地球温暖化対策を話し合う第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議COP21では、2020年から、先進国も、発展途上国も、みな温室効果ガスの削減に取り組むことを「義務」づけされました。
地球温暖化対策の問題は、今までは、先進国のみの限定的な責任でしたが、現在では発展途上国にもその責任があるとされ、地球温暖化対策が義務化されたのです。
今までは先進国にのみ義務付けられていた削減の努力が、発展途上にある国々にも課せられたことは、地球温暖化防止対策がより推進され迎合すべきことです。
その背景には先ほどの「経済発展の途上にあり、温室効果ガスの排出量は急増しつつある」ことがあげられます。
2015年COP21までの間、経済発展にともなう温室効果ガスの排出はやむをえないだろうとしてきた途上国代表、中国。
この中国がアメリカを抜き室効果ガスの排出量世界ワースト1になったことも一つの要因かもしれません。
2016年11月、COP22がモロッコで開催されました。
パリ協定を採択できたことは、世界全体の地球温暖化対策に大きな成果です。
しかし手放しで喜んでいられるほど状況は好転していません。
地球の平均気温の上昇を2℃未満に抑える目標に向け、世界中の国々が合意したパリ協定。
地球温暖化防止対策により持続可能な社会環境の未来を、実現できるかどうかについて。
COP22モロッコで、詳細なルールの取り決めと、今後各国が地球温暖化対策をどれだけ推し進めることができるかに、かかっているのです。
COP21では、中国は温室効果ガスの削減目標値を2005年が基準年として、2030年までに60~65%減という数字を打ち出しました。
実はこれは、「対GDP比率」なのですが、ここが地球温暖化防止に対してあまり積極的ではない?!と思ってしまうポイントなのです。
まず、GDPの説明です。
GDPとは国民総生産-海外での純所得で出た数字です。
国内の経済活動の指標として用いられ、英語でGDP(Gross Domestic Product)と書くことからその略として使用されます。
GDPは、名目国内総生産 →実質国内総生産ということになります。
地球温暖化防止対策としての、COP国連気候変動枠組み条約締約国会議では、どのぐらい温室効果ガスの二酸化炭素の排出量を減らすかの目標値を国際的な国同士に比べて決められています。
これが「比GDP」です。
しかし、中国に関しては、目標を「対GDP比」率としました。
これは、国の経済規模と対比する形での設定としたのです。
中国が掲げた温室効果ガスの削減の目標値は2005年を基準の年として2030年までに対GDP比60~65%減という数字です。
60~65%というとかなり大きな数字におもえます。
中国の地球温暖化対策で温室効果ガスの削減目標は、「2030年に中国のGDPが増えていれば、実際の量は今より増える可能性もある」のです。
しかし、逆に言うと、「国際社会の中で、自国のGDP、国内総生産が減るのであれば地球温暖化対策の温室効果ガス削減の目標値も下げる」ということなのです。
たとえばそれは、ほかの国が世界的な経済成長があっても、中国の経済成長が少なければ、温室効果ガスの削減義務は目標値より下げますよと、いうことになるのです。
ほかの国に関しては「比GDP」での削減目標がされています。
きちんと、国際的な視点での世界的な標準から目標値がだされているのです。
しかし、中国は太陽光発電では世界ナンバー1!
なんだか、地球温暖化対策にはあまり熱心ではなさそうにも思える中国。
ですが、再生可能エネルギーの新エネルギー分野では、太陽光発電の発電量が世界ナンバー1なのです。
現在中国で太陽光により発電されている総電力数は4348000メガワット。
世界2位のドイツは3969800メガワットになります。
中国は世界でも広大な敷地面積を誇る国です。
太陽光パネルの設置に適した日照時間の長い砂漠もあります。
中国では、現在、主にエネルギー安全保障と環境保全の二つの目的から、天然ガス、再生可能エネルギーである、大型水力、太陽光、風力、バイオマス、地熱、小型水力、潮力から、原子力などのエネルギー源としての利用を積極的に進めています。
今後は、より早いスピードで研究開発および普及が進むと予測されます。
すでに2006年1月からは再生可能エネルギー法が施行されています。
この再生可能エネルギー法で地球温暖化対策も経済成長も成功を収めている国はドイツです。
ドイツというと、世界でもエコな国としてみなさんも認識されているでしょう。
中国政府は、再生可能エネルギーの目標として、「エネルギー消費全体に占める比率が2010年に10%、 2020年に16%」を掲げています(この時2009年の比率は約7%)。
目標値(2020年総発電容量)の内訳は、風力3000万キロワット、バイオマス発電 3000万キロワット、太陽光発電180万キロワット、メタンガス440億立方メートル、固形燃料5000万トン、エタノール1000万トン、バイオマス ディーゼル2000万トンとかなり意欲的な数字です。
現在、再生可能エネルギーに対して、中国政府や中国内外の企業の注目度が、高くなっている状況です。
ここで、なるほど、思うのがCOP21で出された中国が掲げた温室効果ガスの削減の目標値は2005年を基準の年として2030年までに対GDP比60~65%減という数字です。
ずいぶんと大きな数字のように見えますと、述べましたが、このような再生可能エネルギー法によるエコ気質が中国の中では高まっている背景があるのでした。
それに、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量で見ると中国の排出量は世界では5位なのです。
実のところ、一人当たりの国民の二酸化炭素の排出量は7.0KgCO2。
世界で一番、一人当たりの国民の二酸化炭素の排出量が多い国はアメリカで、16.4KgCO2。
次いで、ロシア、韓国が11.6KgCO2。
日本が7.7KgCO2となっています。
中国では富裕層と貧困層の格差が大きいため、電力によるエネルギー消費の少ない地域もあるためでしょう。
実のところ、中国における省エネは、私たちが考える以上に進展しています。
時々新聞で見られる「中国が資源を浪費」という言葉は、中国在住の方々の生活実感からは適切ではないそうです。
これは、先進国で民主主義国に住む人々には感覚的にわかりにくいことかもしれません。
中国は民主主義ではなく資本主義の国です。
実際に中国に数日間暮らしてみると、いかに一般市民のエネルギー消費量が小さく、よく節約しているかわかるはずだと識者は言っています。
人当たりの国民の二酸化炭素の排出量は7.0KgCO2という数字からも、地球温暖化対策ワースト1なんて呼ばないで!と言われてしまいそうです。
まとめ
中国政府も、地球温暖化対策として、省エネで明確な「数値目標」をもっています。
大きな予算を使い、多くの施策を実施しているのです。
たとえば、2004年11月には、 GDP1万元当たりのエネルギー消費量が2002年の時点では2.68トンでした。
標準炭素換算として、2010年には2.25トンの削減、2020年には、1.54トンの削減を目標としています。
次に再生可能エネルギーの比率を2020年には10%に引き上げる、国家目標が「中長期エネルギー計画」のなかのひとつの目標として発表されています。
第11次五カ年計画 (2005年?2010年)では、「GDP1万元当たりの、エネルギー消費量を2005年レベルよりも20%削減」する。
なんとも野心的な数値目標がうちだされていました。
しかし、実際には年平均10%の伸びとなり、GDP当りの消費量で見ると、5年間で 7%上昇しています。
計画指標よりも27%上昇しました。
また、第10次5ヵ年計画では、石炭のエネルギー消費の割合を61%から57%に引き下げる予定でした。
ですが、実際の石炭消費は、計画指標を5.8億トン分、上まわっています。
地球温暖化問題は様々な角度から多角的に捉え、論じなければなりません。
一面からのアプローチでの地球温暖化防止対策の政策では、結果は伴わないということが、中国の結果からもわかります。
地球温暖化の原因 二酸化炭素の排出量2015年ワースト1が中国だからといって、何も中国だけが地球温暖化の原因を、多く排出しているわけではありません。
地球温暖化対策をしっかり政策として打ち出しており、努力はされているのです。
目標は達成されていませんが・・・。