地球温暖化が産業革命以降、過去に例のない速さで進行していることは、よく知られています。
産業革命以降の人間の生活は、とても便利なものになりました。
と、同時に、地球温暖化の原因となる生活をおくってきているのです。
目次
温室効果ガス、二酸化炭素の排出量、現代の生活
あるところに、先祖代々、鉄を加工して作る、製鉄業を仕事にしている家族がいました。
今は朝起きると、水道の水で顔を洗い、リビングに行くと、すぐにテレビをつけます。
電気炊飯器でごはんを炊いて、ガスでおかずを作り、朝ごはんを済ませます。
朝ごはんがすむと、食器洗浄機に使用したお皿を入れて洗います。
親は、掃除機で掃除をして、洗濯機で洗濯物をするのですが、乾燥機能がついているので、そのまま忙しく仕事場へ向かいます。
大きな製鉄所へ働きに出かけますがそこまではマイカーで向かいます。
子供は学校まで遠いのでスクールバスを利用して行きます。
製鉄所では沢山の石炭を燃やして火を絶やさずに、大釜で鉄を大量に溶かして、型にはめ、様々な鉄で出来た道具を作り出しています。
仕事が終わると、またマイカーで親は帰宅をします。
子供はスクールバスで帰ってきます。
家族は夕飯を食べた後、それぞれの部屋に戻って明るい電気の下で、ゲームをしたり、パソコンを操作したりしています。
居間では洗濯物をたたんでいるのですが、ろくに見てもいないのにテレビはつけたままです。
ガスでお風呂がわくと、一人ひとり順番に入ります。
シャンプーをする時に、目を閉じるので、シャワーは流しっぱなしです。
読み終わった新聞は、もういらないからと、ゴミ箱へ捨てました。
寝る前には水洗トイレで用を足し、水道を流したまま、眠そうに歯を磨いて、眠りにつきます。
現代の人間の生活はこんな感じではないでしょうか?
ここに、沢山の地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出があります。
朝起きてから、水道、電気、ガス、ガソリン、製鉄所では石炭、ごみのリサイクルをしていない。
これらのエネルギーの利用がされているのがおわかりでしょうか。
今では当たり前のこの家族の先祖はどんな暮らしだったのでしょう。
地球温暖化がまだ問題視されていない、昔の人間の生活
あるところに、先祖代々、鉄を加工して作る、鍛冶職人の家族がいました。
朝起きると井戸の水を汲み、顔を洗い、かまどで、木を燃やして炊いたごはんを食べ、囲炉裏の炭で暖めた味噌汁で朝ごはんをすませます。
使ったおわんは、米のとぎ汁で洗います。
母親は、ほうきでそうじをすませ、井戸へ行き米ぬかで洗濯をすると、竹ざおに干して乾かします。
父親は徒歩で鍛冶場へ向かいます。
子供は寺小屋まで歩いていきます。
鍛冶場では、足を使ってふいごで風を送り、石炭を燃やして鉄を溶かします。
溶かした鉄は、型にはめられますが、きれいな形ではないので、金づちで、人の手でたたいて加工されます。
仕事が終わると、歩いて家まで帰ります。
子供は、今日は運よく、町まで野菜を売りに来ていた、近所の農家おじさんが引く、ロバの荷台にのせてもらえました。
帰宅をすると、夕食をすませ、山から拾ってきた枯れ枝や、薪でたいたお風呂に入ります。
火が消えないうちに、家族が一斉に入りますが、毎日お風呂にはいるわけではありません。
井戸からくんできた水を木の桶にいれておき、米ぬかで体を洗います。
菜種油のあんどんや、ろうそくの明かりのもとで、家族がみんなですごします。
この時代の新聞はかわら版とよばれていましたが、火をおこす時に使えるので捨てずに、とっておきます。
竹をほぐした歯ブラシで、ナスの焼いた皮や塩を使い歯を磨きますが、口をすすぐ水は、水をためたカメからひしゃくですくって使います。
かわやで用を足すのですが、この排泄したものは、ためておき、畑の肥やしに使います。
そして眠りにつくのです。
江戸時代を想定した昔の人間の生活です。
この生活の中で、地球温暖化に関わる排出されている二酸化炭素は、石炭のみとなります。
薪や炭を燃やして出た二酸化炭素は、地球温暖化の原因にはなりません。
薪や炭の原料となる植物を、燃やして出る二酸化炭素は、もともと地上に存在していた二酸化炭素を植物が吸収したものだからです。
これを、カーボンニュートラルといいます。
今の生活と比べるとかなり不便そうではありますが、
機械がないので、人の力で仕事をし、移動にはロバや馬などの動物が使われていました。
かわら版も、そのまま捨てずに再利用されています。
極端な例になりますが、地球温暖化の原因が人間の生活の変化によるものだとわかりましたか?
まとめ
今の便利な生活が地球温暖化の原因になっていることは確かですが、いまさら昔のような生活に戻ることはできません。
便利でも、地球温暖化につながるエネルギーの消費を抑えた、生活を送るように心がけることが私たちに出来る地球温暖化対策です。
しかし、人間は賢いので、地球温暖化対策になるような、機械の開発もすすめていますし、ガソリンの消費の少ないハイブリッドカーもかなり浸透しています。
機械を動かす電力も、自然のエネルギーである太陽光や風力で発電したり、バイオマスという、微生物レベルでのエネルギー開発も進められています。
これからの人間の生活の変化で、地球温暖化の進行は速まりもすれば遅くすることもできるのです。