地球温暖化で地球が100年後どうなっているのか?

地球温暖化問題の原因・影響・対策!地球温暖化について学ぼうk (17)
地球温暖化の問題を考える時、100年後年はどうなるのかという議論は多くの研究者たちの間で予測されています。

2000年代の資料を見返すと、地球温暖化による海面上昇で、2016年には、ツバルは国全体が海に沈むだろうと予測をされていました。

しかし、2016年11月現在、ツバルは海に沈んでいません。

たったの16年前の研究資料でさえ、地球温暖化の予測は確実なものではないのです。

100年という期間に、必ずしもこうなる、ということは言い切れない、不確定要素が多いのが地球温暖化の問題です。

地球温暖化によって、100年後には、どのような変化が予測されているのかを考えていきましょう。

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地球温暖化の予測をはじめた

産業革命以降、人間のエネルギー活動のために大量放出され続けた二酸化炭素は、地球温暖化を急加速させるものとして、問題視されてきました。

温室効果ガスにはほかに、メタンや一酸化窒素もありますが、メタンは大気中に放出された後、7年で化学反応により分解され消失するため、それほど問題視はされていません。

それよりも二酸化炭素の大気濃度のほうが問題視されています。

二酸化炭素は植物や、海が吸収するか、宇宙へ放出されますが、温室効果ガスの層が厚くなったため、宇宙への放出は減少傾向にあります。

1870年ごろの二酸化炭素の大気濃度は、278ppmでしたが、2014年には397.7ppmにまで至っています。

この間に世界の平均気温は0.8℃上昇しています。

地球温暖化の影響のひとつには、人口増加があげられます。

地球の人口は現在約73億6118万人です。

これだけの人々の暮らしは、産業革命以降、多くの国々で文明的になりました。

この文明化は沢山の自然エネルギーを使い行われてきており、それにより、世界全体で見ると物質的に豊かな生活ができるようなっています。

しかし、現在の地球は、石油の枯渇が近づき、表土と森が失われています。

地球温暖化の影響で水と食料が不足をしている地域もあれば、医療の進展により長寿化している国もあれば、病院が不足している国もあります。

人の生活が、太陽と地球からの恵みを、超えそうなほどの人口になってきているのです。

石油も二酸化炭素を含むので、大量に使用されれば、地球温暖化に影響します。

表土の失われた原因は地球温暖化による海面上昇や、氷床の現象によるものです。

森の消失は地球温暖化による干ばつで、極度の乾燥状態から、自然発火によるものあれば、人為的に切り倒されている事もあります。

気候変動により雨の降らない地域では水と食料が不足します。

医療の進展も、植物や細菌類から生み出されている薬もあり、その植物が地球温暖化により失われる可能性が高まれば、天然植物由来の新薬は今後開発、研究は難しくなるでしょう。

すでに起きているこれらの事実に危機感を覚えた科学者や研究者たちが、地球温暖化の今後を予測し提出しているのがIPCCです。

地球温暖化問題は、人類共通の課題であるため、国や地域を越えてその研究報告がされているのです。

ここから、100年後の世界が予測することができます。

IPCCの報告

IPCCは気候変動に関する政府間パネルで、気候変動の実態を明らかにし、環境問題をどう考えていくかという組織です。

現在第五次評価報告書までが提出されており、2000年から2100年の100年間に、地球温暖化対策を取らなければ、どうなるかというまとめも報告されています。

地球温暖化対策をしなければ、100年後の地球は、近年と比べて2.6℃~4.8℃上昇する可能性が高いとされています。

最悪の場合で考えて見ましょう。

日本の過去最高気温は高知県で41℃です。

100年後4.8℃の上昇が見られた場合、最高気温は46.8℃となります。

2016年のインドで起きた歴史的な熱波では最高気温が45℃でした。

アスファルトの舗装が溶けだすほどの暑さです。

インドの熱波では、合計2300人以上の死者が出ており、インドの隣国パキスタンでも同じ時に1200人以上の死者が出ました。

IPCCでは、この100年で気温の上昇を2℃以内に抑えなければ危険だと警鐘をならしています。

そのためには世界の温室効果ガスを2010年に比べて41~72%削減し、100年後の21世紀末には、排出量を-78~-118%までさげなければならないと主張しています。

100年後、地球が温暖化していない状態を作り出すイベントアトリビューション

地球温暖化がこのまま進み、100年後に人命をも奪うような気候にシフトするのを阻止したい。

それは人類共通の願いとも言えるでしょう。

しかし、気候変動に関しては不確定要素が多いのははじめに触れたとおりです。

省エネルギーへの取り組みや循環型社会の確立、炭素由来のエネルギー源に頼らない、自然エネルギーの開発と活用で、地球温暖化の加速は緩やかなものになります。

イベントアトリビューションという言葉をご存知でしょうか。

これは、地球温暖化と異常気象の関連性を調べる手法で、特に熱波について、そのしくみを描いたものです。

イベントアトリビューション(以後、EA)では、コンピューター上に温暖化した地球と、していない地球を用意します。

各々の地球上で異常気象が起きる確立を調べることで、地球温暖化の影響を調べることができます。

これにより、地球温暖化をしているアジア大陸、ロシアでは熱波が発生し、モンゴル、中国では気温の下降が確認されています。

その手順は以下になります

1、スーパーコンピューター内で仮想の地球を作り出す。
EAを行うためにはまず、コンピューター上に仮想の地球環境を作り出す必要があります。

そこでまず、地球を細かな格子に区切り、それぞれの格子に、温度や湿度といった大気の状態を表す数値を割り当てていきます。

そして、それらの値がどのように変化するのか、つまり、地球全体の気象がどう変化するのかを物理法則に基づいたプログラムを用いて計算します。

2、地球温暖化ありと、地球温暖化なしの条件で、それぞれ100回ずつ熱波がおきるか計算を行う

EAを行う際は、この気候モデルに、二酸化炭素濃度や、海面温度などの値として、地球温暖化が起きている場合(現実世界)の値と、地球温暖化が起きていないと仮定した場合の値とを入力します。

3、それぞれの計算において、ロシアで熱波がおきた数を調べる

2010年の夏にロシアで起きた熱波に関しては、地球温暖化が起きていないと仮定した場合の熱波発生確率は0.6%でした。

しかし、温暖化の影響を加えると、3.3%に上昇したといいます。

同様の研究は、2013年夏に起きた「酷暑」についても行われました。

その結果、地球温暖化の影響がなかった場合、酷暑となった確率は0.5~1.73%だったのに対して、地球温暖化がありだと、12.4%という結果になりました。

つまり、人間活動の影響によって、酷暑になるリスクは約10ポイントも増加したといえるのです。

まとめ

地球温暖化の影響により100年後の地球環境の変化は熱波だけではありません。

IPCCのまとめた地球温暖化の影響で100年後の世界で、最大5℃まで世界の平均気温が上昇した場合の予測をまとめます。

北極海では夏にはほとんど海氷が存在しなくなるといいます。

また、雨の降る地域と降らない地域の差が大きくなるとも予測されています。

集中豪雨による土砂災害、少雨による干ばつが頻発するようになると干ばつが頻発するようになると考えられています。

100年後にある危機は地球温暖化の影響による地球環境の危機なのではなく、私たちの生き方の危機なのかもしれません。

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