地球温暖化の引き金になった産業革命
産業革命は1760年代から1830年代にかけての期間です。
イギリスの蒸気機関の開発が世界に広がります。
世界中の鉱物資源、石炭、石油が掘り出されました。
蒸気機関を使用する鉄道や、発電の動力として盛んに利用されてきました。
石炭は安く手に入り、豊富なエネルギー資源として魅力的だからです。
産業革命により、人類は様々な恩恵を受けてきました。
移動手段は鉄道になり、蒸気による発電から電力を得ることができました。
ところが、そこに落とし穴があります。
石炭は炭素でできています。
燃やすと大量の二酸化炭素が発生します。
500gの石炭を燃やすと、倍の1000gの二酸化炭素が発生するのです。
今や生活に欠かせない車はの動力源は石油です。
石炭とおなじく石油も二酸化炭素を大量に発生させます。
そのため地球温暖化の歴史という視点から見ると、温暖化の引き金になったのが産業革命となります。
温室効果ガスの中で熱を吸収する効果が大きいメタンやフロンに比べると、二酸化炭素の割合は9割。
地球温暖化は、この温室効果ガスの濃度、つまり二酸化炭素が大きく関わってくるのです。
18世紀以前に比べて二酸化炭素を多く排出することの多くなった産業化革命以降。
地球は、二酸化炭素のセーターを着ているような状態になりました。
人間もセーターを着れば、体温が蓄えられて、暖かくなります。
地球も温室効果ガスのセーターにより、今まで地球の外へ逃がしていた熱を地球の中に蓄えているのです。
ここから、地球温暖化の歴史ははじまるのです。
おかしいぞ?気づいた人々が研究をはじめた
1980年代になると、人間が作り出した温室効果ガスが、地球の気温を上げていることを強く意識し始めます。
このまま放置すると地球温暖化がさらに進むだろう。
このままでは地球環境が変わってしまう。
そうした危機感から地球温暖化の研究の歴史が始まります。
国連の環境プログラムと、世界気象機関が気候変動における問題処理のために動き始めます。
1988年、2つの機関は「気候変動に関する政府間パネル」を立ち上げました。
私たちにはIPCCという略称でたまにニュースなどで耳にしている団体です。
IPCCの任務は以下になります。
地球温暖化の歴史、気候変動の現状に関すること。
その科学的な見解を世界に提供し、将来の環境や社会・経済に対する潜在的なインパクトを考える。
世界中の科学者たちの研究や論文などの資料を集め、評価し要約する役割をになっています。
地球温暖化を含めた気候変動に関してIPCCはこれまでに5回「評価報告」をしています。
1990年、1995年、2001年、2007年、2013年。
この報告の中で重要なのは「わかっていないこと」が明記されている点です。
地球温暖化の歴史はまだ浅い
1980年代から始まった地球温暖化の歴史的な分析、報告、予測。
先のIPCCにより大きく3つの分野にわかれてまとめられています。
1つ目はこれまでの気候変動に影響を与えた事例の研究です。
地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出や、森林伐採を分析。
また、過去、現在の気候モデルのデータを評価し、将来の気候変動を論じます。
2つ目は、海水面の上昇、極端な熱波、水資源配分の影響、農作物の収穫。
これらが人間の生活や、自然の生態系、にどのような影響を与えているかです。
3つめは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素。
その炭素を放出しないエネルギー源を開発し、省エネを進めて、今後の気候変動を抑えよう。
と、提言しています。
まとめ
地球温暖化が始まった歴史は近代に入ってからです。
気候変動に関する地球の変化は、予測のつかないことが多いです。
今後の人間の取り組みにより、エネルギー源が炭素を含まないものに移り変われば地球温暖化は緩やかになります。
しかし、地球の溜め込んだ温室効果ガスの量は地球の長い歴史上、短期間に急激に増えたことはありません。
人間の生活の変化や生態系の変化。
温室効果ガスの宇宙への放出や海への吸収など、様々な事象が重なるためです。
しかし、地球温暖化の歴史はすでに始まっています。
私たちは地球温暖化の歴史の生き証人です。
おかしいぞ?と気づき、識者が動いている今。
庶民から、企業、政府、世界の国。
人間は、みな同じ、太陽系の「地球」という星に住んでいます。
地球市民であるということを忘れずに、地球温暖化の抑止へ動いてほいところです。