地球温暖化で溶けゆく南極の氷について

地球温暖化問題の原因・影響・対策!地球温暖化について学ぼうk (24)
地球温暖化の影響で、南極の氷床はどんどん溶けています。

一般的には、地球の大気や海が暖められると、氷冠や山岳の氷河が溶ける。

それが海に流れ込んで、海水位が上がる。

と、理解されていますが、話はもっと複雑なのです。

20世紀を通しても、陸上の氷が溶けて、海に流れ込んだために上がった水位はごくわずかなものです。

では、地球温暖化で南極の氷が溶けることはわかっていても、そのメカニズムはどのようなものなのでしょうか。

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海水位が上がるメカニズム、水の性質

水の性質として、忘れてはいけないことに、他の液体と同じく、温度が上がれば、膨張をすることです。

実は海水位の上がった大きな要因は、地球温暖化により海水温が上昇し、海水が膨張したためなのです。

これを熱膨張というのですが、冷たい水よりも温かい水の方が、その膨張のスピードは速まります。

こうした熱膨張による海水位の上昇が南極の氷が溶けるのにも、大きな問題になります。

南極やグリーンランドは氷床や氷冠でできた陸地

膨大な量の氷でできた陸地なので、これが海に溶け出すとか、氷山として流れ出せば、海水位はさらに上昇します。

地球温暖化はしていても、実は氷山は、常に誕生しています。

氷床も絶えず動いていて、ケーキにたとえるなら雪という名前の生地を重ねて、固まり、それがはみ出していき、何層にも重ねていくミルフィーユのような感じです。

そして、自らの重みで海に向かってすべっていきます。

斜めに重なり作られたミルフィーユが、下に向かってくずれていくようなものです。

氷床の親ともいえる、氷河も、ゆっくりと海に向かいます。

気温が上がればこの氷河の動きもスピードアップします。

南極やグリーンランドの氷河は海に面しています。

氷を入れたコップにをそのままにしておくのと、水を入れて氷の溶け方を見比べてみると水を入れたほうが、早く溶けます。

では、その氷はどこからとけますか?真ん中からは溶けません。

水に触れていて、でこぼこした氷の細い部分から溶けはじめていきます。

地球温暖化で、温かくなった海が氷河に触れると、氷河の出っ張った部分は、溶かされていきます。

しかし、すべてが溶けきる前に重みに耐えられず、本体から分離されて海面に浮かぶようになります。

このようなことが起こると、車のブレーキの利きが悪くなったようになり、歯止めが効かなくなります。

本体から切り離された部分は、でこぼこしていて、海水が入りやすくなり、それが、潤滑油のような働きをします。

そのため氷河の動きは速まり、もっと多くの氷床が海に落ちて、海の水位が上がるのです。

南極とグリーンランドを覆う氷床と氷冠は、地球の真水の7割を超える量

地球温暖化がすすめば、氷の一部は溶け海に流れこみますが、新しい積雪もあるので、ある程度は盛り返します。

水になるものがある一方、溶けけずに海に落ちる氷塊もあります。

南極よりもグリーンランドのほうが気温が高いので、グリーンランドではすでにこの現象が始まっています。

南極とグリーンランドを覆う氷床、氷冠は、地球の真水の7割を超えるといわれるほど膨大な量です。

もし、地球温暖化の影響で、これらの氷床がすべて、海にとけこんだとしたら、海面は60mも上昇すると予測されています。

うち、1割がグリーンランドの氷冠、1割が南極大陸西部の氷床、残りの8割が南極大陸東部の氷床です。

これは、科学者たちが、現存する氷の分量の推計によって推察されたものです。

南極の氷がすべて海へ溶けきるのはいつになるのか

それは、地球温暖化により、地球の気温が高止まりし、何千年も経過した時です。

たとえば、電子レンジに氷の塊を入れて、チンしても、かなりの高温で暖められているにもかかわらず、なかなか溶けないのと同じことです。

ですが地球温暖化は、確実にしており、南極の氷床も減ってきているのは事実です。

南極の氷床は何キロにも続く厚い氷です。

なので、21世紀の終わりにいくらか気温が上がったところでは、大部分の氷はまだ残っています。

いきなり海水面が60mも上昇するわけではありません。

まとめ

かといって、2100年以降に気温が急上昇する可能性もあることを忘れないでください。

地球温暖化はすでに起こっており、南極の氷床も、産業革命以降、確実にその面積は減っています。

地球温暖化の防止に取り組まなければ、気温は急上昇し、海水はさらに膨張し、膨張した海水が南極の氷床に入り込んで、けずり出し、氷解が落ちて海水位が上昇する。

このことにより、人間をはじめとした動植物の陸上生物は居住地が減ることが予測されます。

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