地球温暖化の影響は人類にどんな影響を与えるのか?

地球温暖化問題の原因・影響・対策!地球温暖化について学ぼうk (15)
地球温暖化で一番の問題点は気候変動です。

地球温暖化の影響によりおきた気候変動では、異常気象が相次いでいます。

2016年5月末から6月始めにかけて、ドイツやフランスをはじめとするヨーロッパ諸国では大量の雨が一度に降りました。

セーヌ川など多くの川が氾濫し、この洪水による被害額は約1200億円を超えると考えられています。

フランスの気象当局によると2016年、5月の降水量は、統計が残されているこの150年間で、最も多かったといいます。

一方、アメリカ、カリフォルニアでは、500年に一度の大干ばつが続いており、農家などに深刻な影響が出ています。

このような異常気象は人類に多大で深刻な損害を与えます。

地球温暖化により引き起こされる気候変動からの異常気象には、こうした大雨や干ばつのほかにも、熱波、スーパー台風、竜巻などがあります。

人類にとってはあまり歓迎すべきものではありません。

今回は身近なアジアの気候から、人類にどのような影響を地球温暖化は与えるのかを考えていきましょう。

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アジアの気候は食料を蓄える

日本もアジアに属し、米を主食としていますが、実はその米がとれるのは、モンスーンのおかげです。

アジアのモンスーンは地球上で最大の雨の製造機とでもいうべきものですが、ひょっとすると地球温暖化の影響に、とくに敏感なものかもしれません。

現在、アジアでは30億人以上の食料と水がこの、モンスーンのおかげでまかなえています。

それだけ、アジアに住む人々はモンスーンの恩恵を受けているのです。

モンスーンのメカニズムから見てみましょう。

世界最大の大陸であるアジア大陸の上空では、巨大な海風のようなものが吹いています。

冬には広大なアジアの陸地は冷え、これにより、上空の空気も冷えます。

冷えた空気が下降して、陸地から、インド洋や太平洋へ、冷たく乾燥した風を吹かせます。

アジアでは9ヵ月の間、あまり多くの雨は降りません。

しかし、夏になると、陸地は海よりもはるかに速く温まります。

温まった空気は上昇して、それとともに風向きが逆転し、湿った風が、海から陸地へと吹いてきます。

およそ100日間、アジア全域にモンスーンの雨が降ります。

雨で河川は勢いを増し、用水路や水田に水が満ちるのです。

この時期にアジア大陸のいたるところで、米農家は、実に世界の人口の半分を養える米の栽培にとりかかるのです。

では、もしも、地球温暖化の影響で、モンスーンが吹かなくなった場合、どのように人類に影響が出るのでしょう。

実は歴史上すでに、起きている事実があります。

それは19世紀に繰り返し起きました。

インドでは1837年から38年、1860年から61年、1896年から1902年に何千万人の人が餓死をしました。

人類への影響が顕著にでているこの大規模な餓死を、当時、植民地にしていたイギリスの役人たちは当惑しました。

インドの人々の主食も米です。

降雨量の減少により、米の収穫量が減ったための飢餓でした。

とはいえ、20世紀に入り、モンスーンの吹くほとんどの国の人口が10倍に増えたにも関わらず、飢饉で餓死する人の数は減少しています。

これには多くの理由がありますが、地球温暖化に関係する、気候に関していえることでは、20世紀は19世紀よりも雨が当てにできたことです。

これは朗報ですが、問題はそれが続くかどうかです。

アジアのモンスーンは過去1世紀の間は自己完結型で、不死身のように見えます。

しかし、地球温暖化が世界規模で起きている今、気候システムのほかの大きな機能と同様に、モンスーンにも弱点はあるかもしれないのです。

モンスーンが21世紀はそれほど、あてにならないとわかったら、人類の30億人の人々の食料は?水は?そこには深刻で過酷な影響が待ち受けているでしょう。

では、過去数世紀の間、モンスーンの勢力が衰えた原因を気候システムの観点でみていきましょう。

気候システムのうちの2つ部分が関係しているようです。

2つのうちの1つはエルニーニョです。

従来、エルニーニョが強力な時は、アジアのモンスーンは止まったようなのです。

イギリスの科学者は1世紀以上前に、インドの大飢饉のほとんどが、太平洋の著しい気候変動と同時期に起きていることに気づいていました。

地球温暖化により、なんだか気候がおかしいと気づき始めた頃と一致します。

エルニーニョはアジアから熱を奪い、モンスーンの勢いを衰えさせてしまうようなのです。

ですが、それは過去の話で、最近の地球温暖化による異常気象でエルニーニョが勢力を増しても、アジアのモンスーンが広範囲で弱まる気配はありません。

昔ながらの関係が壊れてことは、科学者にとって驚きですが、人類にとっては恩恵です。

ただ、その昔ながらの関係が壊れた原因については今後も続くのかはわかりません。

21世紀が永続的なエルニーニョに似た状態のほうに大きく傾いた場合、その結果、以前のようにモンスーンの勢力が弱まれば、アジアでは雨が降らないことが多くなるかもしれないのです。

もう1つの関係としてあげられるのが大西洋です。

2003年、インドとアメリカの研究者が、一万年間に及ぶインドのモンスーンの勢力に関する記録を集め、大西洋との関係を立証しました。

研究方法はインド沿岸沖の古代の海底堆積物から発見されたプランクトンの化石を数える方法です。

プランクトンはモンスーンの強風が原因で、エサとなる養分が湧き上がる時に成長します。

その結果、何世紀にもわたってモンスーンの勢力が大きく変動していることがわかりました。

そしてこの結果を受けてインド工科大学カラグプル校のアニル・グプタにより報告されたことがあります。

それは、個々のエルニーニョの期間よりも、長い期間で見ると、夏のモンスーンが弱い時期は、何千キロメートルも離れた北大西洋で寒波が続く」ことが確認されたということです。

このことから、強力なモンスーンは、ヨーロッパ沖や北アメリカ沖の温暖な海域と関連しているということでした。

モンスーンによる雨はアジアの人々の暮らしに密接しています。

特に人類の食料庫ともいえる農業に携わる人々も、アジア大陸は人口も多く、温暖化の影響で今後モンスーンが吹かなくなった場合、人類は深刻な食糧と水不足に悩まされつことになるでしょう。

エルニーニョとは?人類にどんな影響が出ているのか

エルニーニョとは、地球温暖化がすすむと、強さが増し、異常気象が多発すると危惧されている気候システムです。

エルニーニョ現象とは、およそ4~5年に一度、東太平洋の赤道付近で上昇する現象です。

通常太平洋の赤道付近では、東から西向きに常にへ貿易風が吹いています。

海の表面にある暖かい海水は西側にたまっているというのが通常です。

ですが、4~5年に一度、西向きの風が弱まり、いつもは西に追いやられている温かい海水が東側に流れ込むことがあります。

すると、東側の海水温が1~5度も上昇するのです。

これをエルニーニョ現象です。

これにより、人類にどう影響するかというと、太平洋上の低気圧の位置が変化し、連鎖的に世界中の大気の状態を変えてしまいます。

エルニーニョ現象がおきると、日本や、アメリカ大陸では多雨になりやすく、オーストラリアなどでは逆に大干ばつがおきやすくなるといいます。

エルニーニョ現象と地球温暖化はどのように影響しあっているのでしょうか。

2014年、地球温暖化が進行すると、エルニーニョ現象が強められ、日本やアメリカ大陸では豪雨が多発する可能性がある。

との研究結果が、イギリスの学術誌「nature climate change」に掲載されました。

数年規模でおきるエルニーニョ現象と地球温暖化がどのように関わってくるかは、まだ統一的な見解はありません。

今後も研究を続けていく必要があります。

実際に、エルニーニョ現象によって、人類に大きな被害をもたらした例では、2015年、世界各地で起きた歴史的な熱波があげられます。

南アジアをはじめ、スペイン・マドリード、スイス・ジュネーブ、ドイツ・バイエルン地方など、ヨーロッパ各地で観測史上最高となる気温が観測されました。

こういった、世界全体での高温は、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加によって引き起こされる、地球温暖化の影響があるのです。

地球温暖化の影響は人類の住処も奪う

地球温暖化の影響により、海水面の上昇で、住む場所自体を奪われる国もあります。

皆さんもご存知かと思いますが、ツバルです。

南太平洋に浮かぶ、低いさんご礁の島々に肩を寄せ合って暮ら2000人のツバルの島民は、海面上昇による島の侵食により、じきに人が住めなくなるでしょう。

生きていくために必要な食料も、海水が農地に流れ込み、パンの木が枯れてしまっています。

ツバルは近代国家の歴史上で、最初に消えてしまう国となるでしょう。

すでにツバル政府は、3000キロメートル離れたニュージーランドと、今後数年間でツバルの国民全員を受け入れるという協定を結んでいます。

南太平洋の島国では、キリバス共和国もまた、海に沈もうとしています。

地球温暖化の影響で、海水面が上昇し、沿岸部が水没するだけでなく、海水が農耕地や地下の水源に入ってきている。

キリバスではすでに9区画以上の居住区が海の中へと消えいています。

まとめ

地球温暖化が人類にもたらす影響では、気候変動による害で、良いことはあまりありません。

干ばつによる水不足、食糧不足、水害による居住地の水没、海水面の上昇による居住国そのものの消失。

ほかにも、地球温暖化の影響で強まっている熱波では、2007年ヨーロッパで、2009年オーストラリアで、2010年ロシア西部で、2013年には日本でも高知県の江川崎市が最高気温41℃となり観測史上最高記録となりました。

2015年にはアメリカの西部と、東南部でそしてインドでも発生し、2016年にはパキスタンでも発生しています。

この熱波では、確認できる数だけでも18900万人の犠牲者が出ています。

人類の生命自体を脅かす気候変動の存在は、地球温暖化が原因だといわれています。

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