地球温暖化の影響で、海面上昇が起こるのはなぜ?


産業革命以降、人類は石炭や石油といった化石燃料を利用した内燃機関によって、近代的な工業生産や社会インフラを生み出し、大量の二酸化炭素を人為的に排出しています。

人為的に排出された二酸化炭素は、地球表面の平均気温を長期的に上昇させ、地球温暖化と呼ばれる現象を引き起こします。

地球温暖化は、地球上の気象や気候に影響を及ぼすだけでなく、海面温度も高くなるため、海面上昇が起きるといわれます。

地球温暖化により海面上昇が起きる理由や影響などを紹介します。

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地球温暖化が、なぜ海面上昇を引き起こすのか?

地球温暖化によって平均気温が上昇すると、南極大陸や北半球の高緯度地域の氷河や氷床といった氷が溶け出し海へ流れ込み、海水の量が増えて海面上昇が起きます。

北極海の氷は、海水が凍って浮かんでいるため、溶けても海水面の上昇には影響を与えません。

ちょうど、コップの水に浮かべた氷が溶けても、コップの水位が変化しないのと同じ状況です。

また、地球の表面気温が上昇すると海面温度も上がり、海水の体積が膨張して海面上昇が起き、大気に飽和できる水蒸気量も増えます。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次報告書にある「世界の平均海面推移の変化」の数値は、海水量の変化と体積の膨張で説明がつくとされています。

地球温暖化と海面上昇は、どんな影響があるのか?

地球温暖化による海面上昇は、海抜の低いフィジー諸国やツバルなどの島国で、高波による被害や海水の浸水などの影響がすでに現れています。

日本でも、1メートル海面上昇すれば、日本全国の砂浜の9割以上が失われると予想され、失われる地域に生息する動植物や渡り鳥などにも影響があると予測されています。

地球温暖化による影響で、日本では大雨や台風の発生頻度が高くなり、台風の勢力も強大化する傾向にあり、海面上昇は台風の通過により高潮や浸水被害の危険が高まります。

そのため、当面は、海抜の低い地域では海岸堤防の整備が必須であるものの、長期的な対策には海岸だけでなく、河川を含めた整備も必要と考えられます。

海面上昇による洪水や浸水などの直接の被害はもちろん、人が海抜の高い地域への避難によって引き起こされる二次的な影響も考慮されるべきです。

地球温暖化の影響は、気象や気候、海面上昇にも?

地球温暖化の原因である温室効果ガスによって暖められた大気は、海水面の温度も上昇させ、大陸や両極にある氷河や氷床を溶かし、海に流れ出します。

海に流れ出した氷の分だけ海水の量が増え、高温となった海水は体積を膨張させるため、海面上昇が起きます。

海面上昇は、大気中の水蒸気量を増やし、ゲリラ豪雨や台風の発生頻度を高め、海抜の低い地域の高潮や浸水被害の危険を高めるなど、さまざまな影響をもたらします。

海抜0メートルに近い地域に最も影響がある海面上昇は、人間をはじめとした動植物の生息域を消失させ、代替え地での生活が可能かどうかの二次被害も生みます。

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