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日本人の主食の「米」稲作の現状
現在、日本国内で作られる米の生産量。
年間50万トン以上作られているのは、新潟、北海道、秋田。
おいしいと言われるお米「コシヒカリ」の産地、新潟。
「あきたこまち」の秋田県。
聞いたことのある有名品種の産地が多いですね。
日本の米の30万t~50万t以上は東日本で作られています。
西日本では30万t未満の地域が多くなっています。
このことから、日本列島はそのほとんどは温帯湿潤気候の中にあります。
が、南北に長いため、その中でも比較的、年間平均気温の低い、東北地方から北海道で、稲作は盛んだということがわかります。
日本の米所、北陸では、夏の気温が高くなることを生かして、秋の早い時期に早場米を出荷。
今や、新潟県と1、2位を争う生産量をほこる北海道では、本来米作りに適した土地ではありませんでした。
しかし、寒さに強い稲を、品種改良により作り出し、土地改良をしたりして米作りが発展してきました。
地球温暖化の影響 米はどうなる?
2060年。約40年後の日本の米事情は、どうなっているのでしょう。
地球温暖化の影響により年々、わずかずつですが、日本の平均気温は上がっています。
米作りにはどう影響するのでしょうか。
まず地球温暖化の影響により、気温が高まる上昇。
田植えの時期が前倒しされます。
稲の穂、米が実り始める出穂後は、地球温暖化の影響で平均気温が高くなり、米の収穫量は減るだろうとも。
しかし、気温が高まることにより、米の生育期間が短くなるというメリットもあるようです。
西日本と東北、北海道での収穫量はどうなる?
このまま地球温暖化が進めば、西日本では米の収穫量は減収。
東北、北海道では増収という二極化がでてきます。
それはなぜなのでしょう。
これは出穂後の平均気温が関係しているためです。
米の、もっとも収穫量の高い出穂40日の平均気温は21.9℃。
現在での地域では、北陸、関東、東海地方に当たります。
しかし、地球温暖化の影響により、平均気温が上昇していけばどうなるでしょう。
現在、平均気温が低く収穫量が低い地域が、2060年には現在の米の収穫量に最適な平均気温21.9℃地帯になることが想定されます。
その地域が、東北、北海道。
ということになるわけです。
しかし、冷害や台風もある!
昔から東北では、「やませ」(三陸沖より内陸に吹き込んでくる北東気流)による冷害があります。
地球温暖化=暑さに強い。乾燥に強い。こういった品種を作れても、逆に寒さによる冷害には弱いのでは?
そこで、暑さにも、乾燥にも、冷害にも強い。
そんなハイブリッド米を作ろうと品種改良が重ねられています。
しかし、「おいしいお米」と、なると難しいようです。
それに、地球温暖化による、気候変動では、アジアの台風の発生件数が多くなると予測されています。
台風が日本に上陸するのは初夏から秋にかけて。
ちょうど、米づくりの盛んな時期です。
台風により稲が倒れ、米の収穫が減った。
品質が悪くなった。
ということは昔からあることです。
まとめ
日本人の主食である、米への地球温暖化の影響。
稲の生育期間が短くなるだろうというメリットもあります。
しかし今現在、米の収穫量が30万t以下の多い西日本では現在でさえ平均気温が高めです。
40年後となると地球温暖化の気温上昇の影響により、米作りは今以上に適さなくなることでしょう。
米の収穫量が30~50万t以上のという地域の多い、東北地方では「やませ」の冷害もあることも、懸念されます。
地球温暖化による「やませ」は、どうなるのか。
高温度になる地域もあれば海岸部は低温度になったりもします。
それに、今後の土地利用の変化によりまた変わります。
気候予測データ自体にも、不確定要素が大きく明確に、
どうなるかと明確に言うことはできません。
2016年8月には観測史上初の東北への台風の上陸がありました。
北海道も台風の通り道になることが近年多くなっています。
これらのことから、地球温暖化の米への影響は、どうなるか。
気温上昇、台風増加による米の収穫量が減るのではないか?
との、懸念のある一方。
品種改良によって生まれた米で今までどおりの収穫の見込み。
との両極面がみられます。