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自然への影響にはどういったものがあるでしょう
自然というと皆さんは何を思い浮かべますか?
空・光・空気・植物・土・水・海。
地球は自然に覆われていますね。
しかし、この自然は、地球温暖化の影響を受け大きく変わりつつあります。
地球温暖化の影響による気温の上昇で、生物、生態系への変化が出てきています。
植物と動物を例に見てみましょう。
地球温暖化によりもっとも生物に影響した場所は?
生物、生態系が変化したのは緯度の高い北の地域です。
地球温暖化により連鎖反応から自然へ波紋を広げたケースを紹介します。
アラスカの樹木トウヒ(ホワイトスケープ)とカブトムシ系の昆虫キクイムシについてです。
キクイムシはトウヒにとって何千年にもわたり天敵でした。
地球温暖化のはじまった1980年から1990年にキクイムシは爆発的に増加。
本来であればキクイムシは気温の低い時期の繁殖は抑えられていたのです。
しかし、地球温暖化による気温の上昇は、このアラスカの自然に大きな変化をもたらします。
本来、気温の低い時期であった頃にも、キクイムシはトウヒに産卵をしました。
トウヒは何年にも及ぶ干ばつのせいで弱っていました。
キクイムシは木から木へと飛び移り、卵を植えつけていきます。
その結果、14360キロ平方メートルもあったトウヒの森は数年のうちにほとんど姿を消してしまいました。
これは、アメリカのコネチカット州の面積と同じぐらいです。
今でも、キクイムシは増殖を続けています。
繁殖期間はさらに伸び、虫害は南の方角へ広がっています。
今ではアメリカの、ニューメキシコ州、コロラド州、ワイオミング州の、トウヒと松にまで被害が及んでいるのです。
しかし、森林がなくなり、土壌の温度が上がり草原が生まれ、新たな生態系ができはじめています。
それまで森林に生息していた鷹やふくろう、野ねずみなどは、森林という住処をなくし食物連鎖も崩れてしまいました。
ですが草原によりムース(アメリカアカシカ)や一部の鳥など、草食動物には住みやすい環境になったのです。
これが生態系の変化です。
地球温暖化によりもっとも生物に影響した場所としてアラスカを紹介しました。
地球温暖化による海水温の上昇生態系がで海の自然にも影響が
1990年代の終わりに、インド洋で起こったサンゴ礁の死滅。
トウヒとキクイムシでは新たな生物、生態系がうまれました。
しかし、インド洋で起きた、このサンゴ礁の死滅では生態系が完全に崩壊しました。
海洋学者からは「死の区域」(デッドゾーン)と、よばれています。
魚の乱獲、二酸化炭素の増加による酸性化など、サンゴ礁にとっての災難は地球温暖化の影響によるものだけではありませんでした。
しかし、決定的なことが起こります。
1998年に強烈なエルニーニョ現象によって、異常にあたたかい海水がサンゴ礁を覆いました。
そのエルニーニョ現象の引き金になったのが地球温暖化です。
インド洋のサンゴ礁は今までの自然の中で、経験したことのない海水温の異常上昇により白化。
そのその4分の1が死滅しました。
それに伴ってサンゴに頼って生きていた生物も姿を消しました。
2006年に行われた調査では魚の種類は半減しています。
地球温暖化の影響が生物にもたらした最悪のケースとしてインド洋のサンゴ礁を紹介しました。
まとめ
地球温暖化の影響をうける自然は、植物、動物、だけではありません。
空、成層圏により生物を守る、その日の天気、気候。
光、万物を育む、太陽光の影響。
空気、生物に必要な酸素、大気中の二酸化炭素の濃度。
植物、食べられることにより他の生物を生かす。酸素を出す。
土、大地、微生物、植物を育む。
水、生き物に欠かせないもの。
海、地表の70.8%。
この7つを見ただけでも
自然というのは、どれもうまく調和して成り立っているのだと思います。
その自然の調和が地球温暖化によって影響を受け、変わりゆこうとしています。
地球温暖化による生物への影響は人間にも大きく関わります。