よくニュースなどでも耳にする地球温暖化。人間の活動などにより、出る温室効果ガスにより、地球全体の温度が上昇し温暖化することいいます。
温室効果ガスの排出により、地球温暖化の問題は世界の随所で確認されています。
地球温暖化による問題点で、私たち人間が生活するのに必要な、「衣食住」
このなかでも特に大切な「食と住」に焦点をあてて地球温暖化の問題点を見ていきましょう。
目次
地球温暖化の問題点、食、雨。
地球温暖化により、雨が多くなる地域と、まったく雨が降らなくなる地域がでてきます。
大雨の影響
もともとの気候帯にもよるのですが、2015年9月には記録的な豪雨が東日本を襲いました。
地球温暖化の影響により機構が変動し、アジアでは特に南アジアと東アジアで、台風が頻発し、大雨が多くなります。
これはエルニーニョ現象によるものです。
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道付近から、南米沿岸にかけておこります。
海水面の温度が平年よりも上昇し、1年程度続く現象のことです。
地球温暖化で、年々海水面の温度が高くなる傾向にありますが、ちなみに、海水面の温度が逆に低くなることもあります。これをラニーニャ現象といいます。
さて、このエルニーニョ現象により日本も含め、世界中で異常な天候が起こると考えられています。
干ばつの影響
地球温暖化が進むと海からの蒸発が盛んになりますし、そのほか、池や川、地面からの蒸発も増えます。
ですから、陸地は乾燥しやすくなります。
地球温暖化の問題点を集め、検証をしているIPCC(気候変動に関する政府間パネル)では干ばつについて、こう記しています。
「干ばつに見舞われる地域は1970年代以降、世界的に見て増加している。大かたの陸地において、熱波は増えるものと思われる。(中略)今後も継続する公算が大きい。」
IPCCが「公算が大きい」という場合には、「少なくとも3分の2の確立」を意味しています。
半々よりはかなり高い確率です。
ですが、地球温暖化による気候変動は、今後の問題点への解決策の取り組み方により、変化するため、不確定要素が多いのです。
なので断定もできないのです。
地球温暖化の問題点で、干ばつの例として、アメリカ南東部があげられます。
アメリカのカリフォルニア州を見てみましょう。
「もともと夏は雨が降ってもごくわずか」というのが通年の気候帯です。
もともと干ばつが起こりやすい地域であることに、変わりないのですが2010年アメリカ南東部でおきた干ばつは、降雨量が通年よりも大幅な平均以下でした。
しかし、南西部の砂漠地帯と比べれてみると、降雨量はかなり上回ったのです。
これが気候変動の微妙なバランスを崩すことになり、かえって、干ばつを引き起こしたと考えらています。
食への影響、植物
植物は、水がなければ育ちません。
しかし、雨量が多すぎても、少なすぎても収穫量は減ってしまいます。
世界の人口と飢餓
2010年の時点で、世界の総人口は76億2500万人。
うち、67億人分の食料は充分にまかなえました。
しかし、残り9億5000万人、総人口の約14%は、飢餓の状態にあります。
予測では2050年の時点で、人口は90億人を超えていると思われます。
実は地球の定員…食料その他の資源で、養っていける上限は90億人だとみられています。
地球温暖化の問題点の気候変動は、不確定要素にさらに輪をかけています。
科学者の予測では、気温の上昇と降雨パターンの変化は、これから何十年かにわたって、食料である農作物の収穫に影響を与えると見ています。
植物は二酸化炭素の濃度が高ければ、たいていの場所では成長が促進されます。
また気温が高いことで、ある種の食物の種類や特定の地域にはプラスに働きかけます。
実際にアメリカでは、同じ環境下にで育てた植物が、地球温暖化により通常よりも2週間早く、植物が育ったという事例も確認されています。
しかし、おおかたの地域では降雨量と気温の変化は作物の収量を減らす傾向にあります。
地球温暖化により気温が1度あまりも上がれば、二酸化炭素の増量によるメリットを帳消しにするどころか、マイナスをもたらします。
地球温暖化の影響で作物が不足すれば食料の値段は上がります。
飢餓に直面する人口はさらに増えることでしょう。
これは大きな問題点です。
先にものべましたが、地球温暖化による、問題点、洪水、干ばつなどの異常気象が増えれば、農作物に被害を与え、収穫を減らしかねません。
植物の成長が早くなるというのは、一見プラスにも思えますが、食べ物を実らせるという点ではあまり好ましいことではないのです。
これらのマイナス要素は温帯よりも熱帯で被害が大きくなります。
そのため、熱帯の農民は、温帯の競争相手に負けて、収入を減らすことになりそうです。
飢餓状態は現在でも熱帯の農村部で蔓延していますから、地球温暖化による気候変動は、食料を確保する上で、生死の鍵を握っています。
地球温暖化が、海洋、沿岸部、自然体系へ及ぼす問題点で住む場所はどう変わるか
地球温暖化により、海面水温や、海面水位の上昇、海氷面積の減少、塩分、波浪条件、海洋循環の変化をもたらします。
海水面の上昇は地球温暖化によりすでに始まっています。
南極やグリーンランドはそのほとんどが氷床でできています。
この膨大な量の氷床が海に解け出すことで水位は上昇。
水は温まると、そのその膨張率が上がる性質があります。
地球温暖化で気温が上昇し、氷床が解け出し海の水位が上がると、さらなる海水面の上昇が起きるのです。
沿岸部では、洪水規模規模の増大。侵食の加速、湿地やマングローブの損失が起こります。
淡水源への海水侵入も生じます。
淡水魚は少なくなるでしょうし、沿岸部に住む人々は移住を余儀なくされるでしょう。
海水温の上昇と、ともに、海が地球の3分の1の二酸化炭素を吸収することから、地球温暖化により増えた二酸化炭素を吸収した海の中では、どんなことが起こるのでしょうか。
まず、さんご礁が打撃をうけます。
すでにインド洋で1990年代のおわりにさんご礁の大規模な死滅が起こりました。
このことにより、インド洋のさんご礁では生態系に大きな変化がもたらされました。
環礁、岩礁島、塩水性湿地などの生態系も影響を受けます。
人間の住める場所へも大きな影響が出ます。
2080年までに、40cmの海面上昇が起きた場合、7500万人から、2億人の人が移住を余儀なくされます。
海洋浄化能力の低下も起きてきます。
日本でも海面が65cm以上上昇すると、全国の砂浜海岸の8割以上が侵食され、40cm以上上昇すると、沖からの距離、120mの干潟が消滅。
生物の産卵、保育が困難になります。
沖合いで行われている養殖産業は大きな打撃を受けることとなり、海水温の上昇により、それまで養殖されていた品種が、育たなくなることも実際にもう始まっているのです。
まとめ
地球温暖化による問題点は人間の暮らしに大きな影響が起こることが、植物への影響、海洋への影響だけみてもお解りいただけたかと思います。
地球温暖化によって予測される問題点は、健康への影響や、産業への影響もあります。
しかし、まず、人間が生きるために必要な、衣食住でもっとも大切な、食についてと、住む場所についての問題点をまとめてみました。
地球温暖化の問題により、世界には様々な悪影響が起こります。
その悪影響の進行を遅らせたり防ぐための行動はすでに世界中ではじまっているのです。