地球温暖化対策で世界は今どう動いているのか?

地球温暖化問題の原因・影響・対策!地球温暖化について学ぼうk (23)
地球温暖化対策をしなければならないというのは、昨今、人類共通の課題として、世界各国で取り組みが行われています。

地球温暖化の問題を世界的に取り組むために立ち上げられたIPCC(lntergovermental Panel on Ciimate Change)日本語にすると「気候変動に関する政府間パネル」があります。

IPCCは、COP(Confererence of the Parties)「国連気候変動枠組み条約」とは別の組織です。

IPCCは政府の枠を超え、世界の学者、気象学、海洋学、植物学、生物学、経済学etc…たちを集めて、気候変動の実態を明らかにしようとされ結成された組織です。

世界レベルで、国連として、地球温暖化対策や環境問題を考えていこうという組織なのです。

2007年には、アメリカ副大統領だった、アル・ゴアとともに、ノーベル平和賞を受賞しました。

IPCCでは、このままだと非常に早く地球温暖化が進むことを明らかにしました。

今回はIPCCの報告書とCOP、そして世界での地球温暖化対策の教育に注目して、地球温暖化対策を世界的に取り組むには何が必要なのか考えていきましょう。

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IPCC第五次評価報告

IPCC第五次評価報告は毎年行われており、2013年~2014年の報告書によると、3点の報告がされています。

1点目は、2100年ごろまで、何も対策を取らなければ、地球の平均気温は、近年と比べて、2.6℃~4.8℃(産業革命前と比べるなら3.2℃~5.4℃)上昇する可能性が高いということ。

2点目は、産業革命前に比べて、気温上昇を2℃未満に抑えるためには、21世紀半ばまでに世界の温室効果ガスの排出量を2010年に比べて41~72%削減しなければならないということ。

3点目、さらに21世紀末には、温室効果ガスの排出量をマイナス78~マイナス118%まで下げなければならない、と、主張しています。

COP、国連気候変動枠組み条約では、このIPCCの報告をもとに、各国が削減目標値を設定しています。

COP

IPCCは、世界的に政府間を超えて、地球温暖化対策をしなければならないという警鐘を鳴らす組織です。

それに対してCOPは、世界各国が、国ごとに政府(または共同体)として、地球温暖化問題に世界的に取り組もうとするもの。

地球温暖化により、将来的に生命が脅かされる事態になることがわかっていても、自分の国の経済成長もしなければならないというのがCOPでの課題です。

COP3で策定された、京都議定書では、第一約束期間が終わった後、新しい枠組みができないまま、2013年から2020年までは、とりあえず京都議定書の、「第二約束期間」となり、同意した国には新たな削減目標が設定されました。

地球温暖化対策で、温室効果ガスを削減します!とCOPでの具体的な取り組みがされたのがCOP3京都議定書です。

実のところ、京都議定書では、地球温暖化の問題は先進国が産業活動により、温室効果ガスを沢山排出してきたので、世界の中でも地球温暖化対策は先進国に重い責任があるとされてきました。

しかし、京都議定書の、「先進国のみに削減の義務」という部分で、世界の国々を見てみると、アメリカは不参加、カナダ、ロシア、ニュージーランド、日本も離脱をしています。

このままではやがて2020年がきて、第二約束期間が終わってしまいます。

地球温暖化対策は、世界で取り組まなければならない問題なのに、先進国だけではやっていられない、というのが離脱した国の考えです。

そこで、COP21、パリ協定では「2020年から、今度は本当に先進国も、発展途上国も一緒になり、温室効果ガスの削減目標を達成していくことを義務としましょう」ということになりました。

外国で地球温暖化対策の教育、イタリアでは

地球温暖化対策では、その実情を知ることで、より、実践的な取り組みができると思います。

学生の頃から、地球温暖化の問題について学び、実情と対策を考えていこうという教育プログラムを実践している外国で、注目されているのが、2つほどあります。

はじめに紹介するのはイタリアの都市モデナです。

イタリアのモデナでは、学校教育の中で、持続可能な発展のコンセプトやエネルギーの効率的利用を定着させることを2002年~現在実行中です。

この事業は、学校と行政、専門機関との共同事業で行われています。

目的を達成するために、次のような工夫をました。

管轄する行政府が学校ごとに異なるため、州・県・市が協力しあったこと。

持続可能性や、エネルギーをテーマに、授業を行うようその協力をもとにモナコ全域に働きかけます。

レベルの異なる、各学校を巻き込み、州・県・市が協力しあったことで、ネットワーク化を図ることに成功。

市民団体をはじめとする、各関係機関が持つ、機能と専門性の、効果的活用を考えます。

自分たちの学ぶ、学校の施設で、省エネやエネルギー対策を推進し、学校教育との連携ができるようにしました。

ここで注目すべきなのが、レベルの異なる学校と、市とが自主協定を結び、互いに協力することを誓約したことです。

学生たちが学ぶテーマは、「持続可能な発展」です。

学校と市が自主協定を結べたので、地球温暖化対策のための教育プログラムが実施できました。

そして、学ぶための財源を市や州が提供して、教育プログラムが導入されるよう促進されています。

教育プログラムの例として、このようなものがあります。

テーマ・「エコロジカル、フットプリント」教育カリキュラム

実行団体・モデナ市(旧モデナ州)。

実施期間・2003年12月~2004年12月。

参加校・モデナ市内から、小学校、中学校、高校あわせて15校に加え、その他にフェラーラ市、ピアチェンツァ市の学校が参加。

予算と財源・総予算は30,000ユーロ、うち、モデナ州が70%を負担。

カリキュラム決定までのプロセスはというと、以下の5つになります。

1・学校、教員による情報収集のため、環境と持続可能発展を教育センター等が受講コースを開講、実施し、履修コースの受講します。

2・各学校が、外国語、理科、社会等様々な科目で、関連教育の実行可能性について検討をします。

3・カリキュラム企画をモデナ州に提出をし、確認をとります。

4・優秀なカリキュラムへの、州からの財源が補助としております。

5・カリキュラムの実施へ入ります。

エコロジカル、フットプリントとは、どれほど人間が自然環境に依存しているかを、わかりやすく伝える指標のことです。

これを学ぶことで、地球温暖化対策にもなる「持続可能な発展」をテーマとした教育カリキュラムが確立しました。

こうした教育機関による、具体的な学びを通して、学生は地球温暖化対策へのアクションをおこすきっかけとなります。

外国での地球温暖化対策の教育、オーストラリアのポートフィリップでは

オーストラリアのポートフィリップでは、市民が、より持続可能な生活スタイルを取り入れることを目的にして次のような具体策を実施しています。

それは、市民のコミュニティを、より健康的でより持続可能な状態にすることです。

先ほど紹介したイタリアのモデナでは、学生に向けての地球温暖化対策ですが、ポートフィリップでは市民全員、大人から子供までへの地球温暖化対策の意識啓発がされています。

2001年11月~現在も実行中で、イベントの1プログラムの実施期間は6ヶ月となっています。

ポートフィリップは、様々な地域、コミュニティを巻き込んで、「SLAHイベント」と名づけられた地球温暖化防止対策になるイベントを開催しています。

6ヶ月間に、5回のセミナー、家庭訪問、討論・環境イベント・関係事業、企業見学、植樹などの事業を組み合わせ、多くの市民の参加を図っているのです。

また、楽しく双方向の教育プログラムを活用して、参加者同士が良い関係を築けるようにして、より効果的な、教育啓発活動を大いに盛り上げています。

こうしたイベント開催の具体的な目標は、地球温暖化防止や環境保護への実践的な取り組みが行われることにあります。

「SLAHイベント」で、市民の60%が参加できるよう目標を掲げています。

これを通して、実行したいのが、目標は3つです。

1・50%のゴミ削減、2・10%の温室効果ガスの削減、3・20%の水消費の削減。

対象となる市民の人数は200人で、6回目のSLAH6は、小さい子どもがいる夫婦を主な対象としていました。

まとめ

地球温暖化対策は日本だけでなく外国でも、もちろん行われていますが、未だ地球温暖化に懐疑的な人もいます。

たしかに2000年代から、地球温暖化対策が功を奏してきたのか、急激だった世界の平均気温が横ばいになっているのも事実です。

こうした中で、地球温暖化対策を「もうしなくてもいいのでは?」と思われる方もでてきてしまうでしょう。

一時的に世界の平均気温が横ばいであったとしても、地球温暖化による異変は今後も続きます。

人間の病のガンと同じようなもので、ガンは知らぬうちに広がり、何の対策もとらなければやがては死に至ります。

地球温暖化もすでにガンのように世界各地ではじ弊害がはじまっているものです。

自分がガンにかかった時に、たいていの人は、そこではじめて、このガンはどのようなものだろう、どんな薬が効いて、どういう食べ物がいいのだろうなどと調べます。

地球温暖化も始まった時に、地球温暖化対策には何をしなければならないのだろう、どうしたらくいとめられるだろうと意識した人たちから始めます。

ガンの薬が効いて、小康状態を取り戻して、「これでもう大丈夫だ」と病巣を持ったままで治療をやめる人はいません。

地球温暖化対策も、1993年頃からの対策が効いて、近年は世界の平均気温の上昇が横ばいなのは、小康状態にあるといっていいでしょう。

ここで地球温暖化は止まったと言いきることはできません。

外国では小学生から、学校教育で、社会人になってからは市民のコミュニティとして、地球温暖化対策を学んでいます。

実情を知らなければ「何をしたらいいのかわからない」からだと思いませんか?。

地球温暖化問題は様々な要因が絡み合い複雑化して、具現化していることが多く、難しく思われがちです。

なので、IPCCのような国際的な機関ができたのです。

ただ一つ言えることがあります。

それは、人間の手でおきたことなのだから、人間の手で食い止められるということです。

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